附属図書館長 年頭挨拶(2020年)

2020年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。


附属図書館では、昨年1年間も様々な事業に取り組んでまいりましたが、初の試みとして特筆すべきは、11月から年末にかけて「クラウドファンディング」に挑戦したことです。
当館が誇る貴重なコレクションの一つである「漱石文庫」 (文豪・夏目漱石の自筆資料および旧蔵書)を電子化し、インターネットを通じて公開する 「漱石の肉筆を後世へ! 漱石文庫デジタルアーカイブプロジェクト」を立ち上げ、 その資金調達のために、インターネット経由でご寄附を募るクラウドファンディングのしくみを活用させていただきました。
おかげをもちまして、217名の方々から、当初目標額200万円の二倍を大きく超える468万7千円という、多大なるご支援を賜りましたこと、厚くお礼申し上げます。
皆様からの温かく、かつ、熱い励ましと応援を糧に、デジタルアーカイブ化を進めてまいりますので、どうぞご期待ください。


さて、「第5期科学技術基本計画」(2016年1月閣議決定)において掲げられた、 「Society 5.0(超スマート社会)の実現」というコンセプトは、現在策定に向けて準備が進められている「第6期科学技術基本計画」において、その実現化が求められています。 大学図書館ではもとより、電子学術資料の整備や、学内研究成果の発信に取り組んできましたが、オープンアクセスやオープンデータ、 また、上記のようなデジタルアーカイブを含むオープンサイエンスの推進が、教育・研究基盤の拡充のためにもいっそう求められている状況にあります。
当館においても、学内の関連部署や国内外の大学図書館との連携のもとに、オープンサイエンスの推進を図っていくことが、現在の大きな課題の一つと認識しています。
このため、昨年は関係理事・副学長および関連部署の協力を得て、学内6か所での 学術雑誌の動向に関するセミナー2019「学術雑誌は誰のもの? 研究力強化とオープンアクセスのリテラシー」や、 学外有識者を招いての「オープンサイエンス推進に関する勉強会」などを開催し、 学内における共通理解と議論醸成に向けての土台作りを行いました。
今年はそれらを基にさらなる推進を図るとともに、図書館職員としてこのような課題に果敢に取り組む人材の確保・育成についても進めていきたいと考えています。


当館は引き続き、本学における教育・研究を支え、また社会に貢献する組織として相応しい活動を行っていく所存ですので、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


2020年1月
東北大学附属図書館長  大隅 典子

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