□企画展トップページ 東北大学附属図書館 /本館  
  □第四部 仙台藩の食と名産品 資料一覧 (15/22)      
 
15) 備荒草木図 2巻2冊 建部清菴(由正)編 杉田勤 校 天保4年(1833)

農民の中には、飢饉が去るとその苦しみを忘れ、飢饉の教訓を後世に伝えようする意識が低調な者が多く、これを憂えた建部は再び筆を執り、食用可能な山野草を図解した本書を執筆した。画は建部の写生をもとに、一関藩士で狩野派の画家北郷子明らが描き、植物の名と異名、食用に供するための簡単な調理法が記されている。  救荒食として代表的なものは、ワラビとトコロが一般に知られていた。ワラビの根を臼でついて水で揉み出し、「花」とよぶ澱粉を沈殿させてとりだした。トコロの根茎は苦みがあるので、米のとぎ水で煮るなどして苦みを取り去り、カテ飯の材料とした。地域的に限られるが、県北の登米郡では水草のコウホネが救荒食として大きな役割を担っていた。
 
   
  □第四部 仙台藩の食と名産品 資料一覧 (15/22)