□企画展トップページ 東北大学附属図書館 /本館  
  □第四部 仙台藩の食と名産品 資料一覧 (21A/22)      
 
21A) [仙台味噌]  (樽前面にある解説部分の拡大図は、次のページに掲載。)

「仙台味噌」は、仙台米と並んで、江戸の食文化に大きな影響を及ぼした。濃厚な旨味と深い香りを持った赤褐色の辛口味噌は、甘口の「江戸甘味噌」と並んで、江戸っ子の人気を二分した。現在でも「仙台味噌」の名は赤味噌の代名詞ともなっている。  仙台味噌の歴史は、藩祖伊達政宗の時代まで遡ることができる。政宗が仙台の地に城を築くと、城内に大規模な味噌工場「御塩噌蔵」が設けられた。この御塩噌蔵の御用味噌屋であった真壁屋市兵衛が、寛永3年(1626)に初めて「仙台味噌」の看板を掲げ味噌の販売を始めたと伝えられている。  仙台味噌の名が江戸において知られるようになるのは、17世紀半ば以降のことである。当時の江戸には三千人をこえる仙台藩士が常駐していたため、大井の仙台藩下屋敷では、御塩噌蔵と同じ方法で味噌の醸造が行われていた。やがてこの味噌は、余剰生産分を江戸の味噌問屋が買い請け、「仙台味噌」として販売するようになる。このことから「仙台味噌」の名は江戸中に広まり、大井の仙台藩下屋敷は「味噌屋敷」とも呼ばれた。
 
   
  □第四部 仙台藩の食と名産品 資料一覧 (21A/22)