(展観目録第93号)
「伊達政宗」に関する図書展目録
 
 日 時  昭和43年5月8日(水)9日(木)各12時から16時まで
 場 所  東北大学附属図書館会議室
 
目   録
まえがき
 「伊達政宗の家来、美々しき衣類を着ければ・・・・・其時の人、伊達人と云始めしより、風流人を伊達ものというたてものということ、ここに云へる説は附会也もとたてたてしきことより出でたり」と武江年表補正略(喜多村イン居撰)上、寛永3年条に見えるが、更に「古今著闌集に、西行法師の事を云へるくだりに、その心たてたてしくと、是今の華美をたてといへるに、その心同じければ也頭注に、勇魚取巻三云たてははでの転語今衣服の美々しきをはでといへりはでははえの転語なるべしはえは夕ばえ出来ばえのはえに同じからん」と海録四に考証されてあるしかし大方は「下着の道具伊達」とか「伊達の薄着」の俚語のように、伊達風・伊達男(嬉遊笑覧一下)、伊達者(三省録後編一)など、前掲頭初に云うように、粋な方に用いられているのが一般のようである徳川時代の雑記、面影荘子(田中長興撰四巻寛保三自序)にも「純白なる身に白粉して甚だ伊達伊達しき也」(同第一粉蝶弁色)と述べてあるこのだての語源をなしたと云われる正宗公、今日の仙台の繁栄の基礎を築いた藩祖正宗公は、各方面に偉大なる足跡を印されたのであるしかし本館には、公に関する専書は少ないので、各種随筆等にあらわれた逸話や関係文献を集めて、ここに公に関する展観を催すこととしたよってまず、たての言葉についての文献を紹介したのであるが、その他のことについては、陳列の各所についてご覧いただければ幸いである
 
○伊達家一般
1. 伊達家史談 巻一[ 作並清亮 ] 撰 草稿(伊達氏史料)
2. 家史提要五 巻一[ 作並清亮 ] 撰 草稿(伊達氏史料)
3. 伊達略系 作並清亮編(仙台文庫双書1)
4. 伊達歴代御朱印 附 伊達政宗直筆書翰 一帖 原本
5. 伊達家歴代諡号卒年月侯嗣履等 写本
6. 伊達家竹に雀の紋のこと(翁草三三)
 ○参考1.仙台侯と備前池田侯とは仇讐の間柄(文会筆記附録二)
 ○政宗公伝記
7. アマチの元和遣欧使節記(日本奥州王国の歴史、その王伊達(イダテ)正宗の由緒の古く貴いこととその剛勇、吉利支丹を庇護し[自ら]吉利支丹たろうと希望すること、またわ
が聖教の、その地方における発展のこと、かつはわが主パオロ五世聖下の御もとへ送った使節と、その首尾並びにその他の読者の霊的関係と敵意のことわが主たる教皇パオロ五世陛下へ献ぜられるローマ人にして使節の通訳兼史家たるシビオネ・アマチ作ローマのジャコモ・マスカルデイ1615年、上司の許可書を得て刊行) オクダーブ版(21.5x15.5cm)扉1枚教皇パオロ五世への献呈辞6枚読者への辞7枚目次1枚本文76頁教皇への献呈辞ラテン語の外はイタリヤ語記事は1615年11月15日、ローマのジオヴンニ・ラチラノにおける使節随員の受洗のことなどで終わっているから、扉の1615年の刊記と考え合せて、同年11月下旬から、同年末迄の短日間に刊行されたものの如く、しかもそれが再版されたらしいという日本には、東洋文庫、天理大図書館、旧伊達伯家、幸田成友博士蔵が知られ、展観本は東洋文庫蔵の復製である著者アマチは歴史家であるが、詳細な経歴は未詳であるという
8. 正宗記十二巻 伊達成実撰(仙台双書11)
 ○参考2.記伊達政宗事(井上立元) 藩祖正宗逸(遺)事(斎藤馨)(事実文編13)
 3.伊達政宗卿年譜(佐久間義和)(仙台双書1)
9. 仙台藩祖実録二巻斎藤馨撰明治10
 ○参考4.伊達政宗(黒甜瑣語四3) 5.同上(教育史談初編)
10. 伊達政宗公斎藤荘次郎撰大正14
 ○参考6.伊達政宗(仙台人名大辞典ー昭和8)
11. 伊達家治家記録 ー貞山(政家)公ー藩祖伊達政宗公顕影公昭和13
12. 伊達政宗卿伝記史料昭和13
 ○参考7.伊達政宗小林清治撰(人物双書28)
13. 命期集伊達政宗撰写本
 ○政宗公御名語集(仙台双書1)(日本偉人言行史料ー大正5)
○逸話 その他
  ○参考8.伊達政宗、酒井忠勝と相撲(明良洪範10) 9.政宗振分髪(伊達氏史料3) 10.政宗 礫柱を以て秀吉の陳に伺侯、浅野長政父子と絶交(加良喜随筆3) 11.政宗謀反の訴えあり、蒲生伊達両家より訴人(古老茶話下) 12.政宗は心底恐ろしき横着者(同上) 13.兼松又四郎、政宗を打鄭(可観小説19) 14.同上(翁草84) 15.兼松又四郎、政宗の舞を見て盃を握潰す(伊達氏史料甲14) 16.貞山公の威力の大なりし一例(同上5) 17.政宗の大勇、虎を威圧(文政年間漫録) 18.大阪夏陣の政宗(寒ケイソウ(王巣)綴5) 19.政宗は何もかも揃ひし大将(翁草58) 20.政宗の水浴(甲子雑話11) 21.水戸の臣、鈴木石見、政宗を熟視す奥州にて反する者は政宗の外なし、其時首をとるためと(翁草58) 22.仙台領の忍者(嘉良喜随筆3) 23.井伊直孝が裂きしという政宗が百万石の墨付の現存すること(復軒離纂) 24.同上(翁草71) 25.同上(同上1) 26.政宗の同胞助宗(古老茶話下) 27.政宗の重なる臣下(同上) 28.政宗の臨終前日、将軍家光の見舞ひし時の話(同上) 29.貞山公レン葬之日(伊達氏史料甲1)
14. 瑞鳳殿写本(伊達氏史料8)
 ○参考30.伊達政宗木像写真(大日本古文書、伊達家文書之三)
15. 安政二年十月二日、激震の際、貞山公木像治療寺医大宮司義安(伊達氏史料4)写本
○政宗公書状
16. (年号未詳)正月二日桑折宛(伊達家文書之一)
17. 伊達政宗一揆契状(永和三年十月十日余目参河守宛)(伊達家文書之一)
18. 伊達政宗最上陣覚書(慶長五年十月)(伊達家文書之二)
19. 伊達政宗筆(最上庄内のことにつき)一枚(河内勧心寺蔵)内閣修史局榻本
20. 政宗の真蹟(一話一言12 2)

21. 貞山様御子写本
22. 青葉神社建立の由来一条十郎談写本(伊達氏史料7)
23. 青葉神社昇格に関する書類写本(伊達氏史料甲20)
 ○参考31.政宗公生誕400年記念郷土の歴史仙台市産業局観光課編昭和42
○政宗公の文学
24. 伊達政宗以下詩歌文章(伊達家文書之三陳元贇の詩あり)
 ○参考32.伊達の松陰伊達政宗撰(仙台双書1) 33.政宗の文才(落栗物語前編) 34.関戸の少将(伊達氏史料甲22) 35.政宗の和歌と漢詩(続甲子夜話62) 36.政宗の文武兼備(文政年間漫録) 37.政宗和歌堪能(甲子夜話70塩尻26) 38.政宗公の和歌(塩尻26) 39.同上(半日閑話3) 40.政宗屋代峠にての和歌(老農道艸集1) 41.貞山公七ケ宿にての和歌(伊達氏史料5) 42.政宗、梅を手折って一首(甲子夜話42)
25. 伊達歴世歌集橋本貞編(仙台文庫双書5)
26. 宮城百人一首明治27(仙台文庫双書3)
 ○参考43.政宗関雪詩(北窓瑣談四3) 44.馬上往年過の詩(寒ケイソウ(王巣) 綴2)
○戦斗関係等
27. 天正十三年十一月十七日人取橋の戦(伊達氏史料9)
28. 政宗の南部領侵入(未刊甲子夜話一17)
 ○参考45.松島元御水主ニ関シ調査(伊達氏史料6)
29. 仙台城仙台市文化財保護委員会編昭和42(図版一袋)
 ○仙台城沿革第二師団司令部大正5製版
 ○参考46.御茶の水の堀(甲子夜話4) 47.貞山堀(伊達氏史料甲17) 48.さんさしぐれについて(新撰陸奥風土記)(さんさしぐれ解説藤原相之助) 49.さんさしぐれは恋の歌(伊達氏史料甲21)
○外録
30. 伊達武徳遺聞録堀友明編(仙台双書10)
31. 伊達政宗欧南遣使考全集伊勢斎助編昭和3支倉常長伝記を附録
32. 欧南遣使考平井希昌編明治24
33. 欧南遣使資料写本(伊達氏史料甲2)
34. 欧南遣使ニ関スル洋書目録(伊達氏史料甲7)
35. 慶長十八年、伊達政宗よりローマ法王に呈せし書翰(バチカン図書館蔵)(異国往復書翰集41)
36. 元和三年、イエズス会士コーロス徴収文書(第一文書〜奥州見分村、矢森村、志津村の文書〜)(松田毅一撰 近世初期日本関係南蛮史料の研究昭和42)
○支倉六右エ門関係
37. 支倉六右エ門(伊達氏史料10)
38. 支倉六右エ門の肖像(伊達氏史料甲16)
39. 支倉常長伝記(31伊達政宗欧南遣使考全集の附録)
40. 仙台藩遣欧使支倉常長君墳墓地考証(伊達氏史料甲9)
 ○参考50.支倉六右エ門の教名(幸田成友撰和蘭夜話)
 ○松島五大堂鰐口拓本一枚
 ○目で見る仙台の歴史仙台市史図録編纂委員会編昭和34