東北大学附属図書館 夏目漱石ライブラリ


■9月19日


船ヨリ香港ヲ望メバ万燈水ヲ照シ空ニ映ズル様綺羅星ノ如クト云ハンヨリ満山ニ宝石ヲ鏤メタル如シdiamond及ビrubyノ頸飾リヲ満山満港満遍ナクナシタルガ如シ時ニ午後九時
(明治33年9月19日(日) 日記)
(『漱石全集』 第19巻)


※解説: 漱石は明治33年9月8日、文部省第一回給費留学生としてイギリスに向けて出発した。上の記述は本館が所蔵する、漱石の「渡航日記」からの引用。
※「漱石文庫」関連資料: 渡航日記



子規は死ぬ時に糸瓜の句を咏んで死んだ男である。だから世人は子規の忌日を糸瓜忌と称へ、子規自身の事を糸瓜仏となづけて居る。余が十余年前子規と共に俳句を作つた時に
 長けれど何の糸瓜とさがりけり
と云ふ句をふら/\と得た事がある。糸瓜に縁があるから「猫」と共に併せて地下に捧げる。
(『吾輩ハ猫デアル』中編序)
(『漱石全集』 第16巻)


※解説: 漱石の親友・正岡子規は、漱石がイギリスに留学中の明治35年9月19日に亡くなった。漱石は明治39年10月、『吾輩ハ猫デアル』中編序に、。
※「漱石文庫」関連資料: 渡航日記

参考文献



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