東北大学附属図書館 夏目漱石ライブラリ |
■8月3日 手紙が来た。また何だか長々と女性的文字がかいてあるには恐縮したね。今日高須賀淳平が来て小宮さんはことによると恋病をすると云つた。気を付けないといけない。 (明治40年8月3日(土) 小宮豊隆宛て書簡)
(『漱石全集』 第二十三巻)
私は東京を立つ時、心のうちで極めた、此夏中の日課を顧みた。私の遣つた事は此日課の三ヶ一にも足らなかつた。私は今迄も斯ういふ不愉快を何度となく重ねて来た。然し此夏程思つた通り仕事の運ばない例も少なかつた。是が人の世の常だらうと思ひながらも私は厭な気持に抑え付けられた。 (『こゝろ』四十七)
(『漱石全集』 第9巻)
※『こゝろ』 ※参考文献 |
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