東北大学附属図書館 夏目漱石ライブラリ


■8月20日


夜中に胃の痛みで自然と眼が覚めて、身体の置所がない程苦い時には、東京と自分とを繋ぐ交通の縁が当分切れた其頃の状体を、多少心細いものに観じない訳には行かなかつた。
(「思ひ出す事など」十)
(『漱石全集』 第12巻)


※解説: 漱石は明治43年5月頃から胃の不調を訴え、長与胃腸病院で診察を受けた結果、胃潰瘍の疑いありと診断された。当病院に6月中旬から7月下旬まで入院し、8月6日には門下生・松根東洋城の誘いにより、静岡県伊豆修善寺温泉に療養のため出かけた。しかし修善寺温泉に到着後すぐに体調不良を訴え、病の床に就くことになる。
※「漱石文庫」関連資料: 修善寺の大患日記
参考文献



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