東北大学附属図書館 夏目漱石ライブラリ


■7月2日


 近頃梅雨ノ天気鬱陶敷甚ダ困リ入ル平生ノ物草太郎ハ益物草太郎ニナル
(明治36年7月2日(木) 菅虎雄宛て書簡)
(『漱石全集』 第22巻)



 昔はコンナ事を考へた時期があります。正しい人が汚名をきて罪に処せられる程悲惨な事はあるまいと。今の考は全く別であります。どうかそんな人になつて見たい。世界総体を相手にしてハリツケにでもなつてハリツケの上から下を見て此馬鹿野郎と心のうちで軽蔑して死んで見たい。尤も僕は臆病だから、本当のハリツケは少々恐れ入る。絞罪位な所でいゝなら進んで願ひたい。
(明治39年7月2日(月) 高浜虚子宛て書簡)
(『漱石全集』 第22巻)


参考文献



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