東北大学附属図書館 夏目漱石ライブラリ |
■7月10日 晴。暑甚。朝 社の会議に行く。帰つて長椅子の上でぼんやりしてゐた。五時頃で安倍の家へ行く夫からケーベル先生の家へ宅へ行く。御茶の水で電車を降りて先生の家の前迄来ると、高い二階の窓から先生の頭が出てゐる。入り口で安倍が久保君々々々と云ふ。久保君は海軍中尉であつたが軍人をやめて大学へ来て哲学を研究してゐる。久保君が二階へ上つて行くと、先生が高い所から降りて来た。ミスター ナツメ、アイ アム グラツド ツー シー ユーと云ふ。 (明治44年7月10日(月) 日記)
(『漱石全集』 第20巻)
※関連資料 日記及断片 ※ケーベル ※参考文献 |
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