東北大学附属図書館 夏目漱石ライブラリ


■5月25日


 拝復小生の文章を二三行でも読んでくれる人があれば難有く思ひます。面白いと云ふ人があれば嬉しいと思ひます。敬服するといふ人がもしあれば非常な愉快を覚えます。此愉快はマニラの富にあたつたより、大学者だと云はれるより、教授や博士になつたより遥かに愉快です。
(明治38年5月25日(水) 山県五十雄宛て書簡)
(『漱石全集』 第二十二巻)



 拝復私に自信のある作物を御きゝになつても何うも困ります是は謙遜でも何でもありませんがさう是非読んでいたゞきたいものもないのです夫から過去の作物はいづれもいやな気がするものですから自分で人にすゝめる気になれないのです。
(大正3年5月25日(月) 四方田美男宛て書簡)
(『漱石全集』 第24巻)


参考文献



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