東北大学附属図書館 夏目漱石ライブラリ


■4月25日


 春雨がしと/\降つてる静かな日に、宿の隣家で美人が琴を弾いているのを、気楽に寐転んで聴いてゐるのは、詩的でいゝぢやありませんか
(『虞美人草』)
(『漱石全集』 第四巻)



 商科大学を大学に置くといふので高商の生徒が同盟罷校一同母校を去る決心の由諸新聞に見ゆ。由来高商の生徒は生徒のうちより商売上のかけ引をなす。千余名の生徒が母校を去るの決心が洞〔恫〕喝ならずんば幸也。況んや手を廻して大袈裟な記事を諸新聞に伝播せしむるをや。
(明治42年(1909)4月25日(日) 日記)
(『漱石全集』 第二十巻)


※関連資料 日記 明治42年
参考文献


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