東北大学附属図書館 夏目漱石ライブラリ


■2月19日


 拝啓新思潮のあなたのものと久米君のものと成瀬君のものを読んで見ましたあなたのものは大変面白いと思ひます落着があつて巫山戯〔ふざけ〕てゐなくつて自然其儘の可笑味〔おかしみ〕がおつとり出てゐる所に上品な趣があります(中略)あゝいふものを是から二三十並べて御覧なさい文壇で類のない作家になれます然し「鼻」丈では恐らく多数の人の眼に触れないでせう触れてもみんなが黙過するでせうそんな事に頓着しないでずんずん御進みなさい群衆は眼中に置かない方が身体の薬です
(大正5年(1916)2月19日(土) 芥川龍之介あて書簡
(『漱石全集』 第二十四巻)


参考文献


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