東北大学附属図書館 夏目漱石ライブラリ


■1月20日


 ワイナハトの手紙正に拝見。面白かつた。病気段々よろし。体重十四貫半。病院には用心のため二月迄ゐるつもり。此方の新聞は千里眼、透視、念射などで大分賑なり。「門」一部送り候。帰りに船の中ででも御読み下さい。
(明治44年1月20日(金)寺田寅彦あて書簡)
(『漱石全集』 第23巻)


※ドイツ留学中の寅彦へ送った書簡。寺田寅彦は物理学者、漱石の門下生。『吾輩は猫である』の理学者・寒月君や『三四郎』の野々宮さんのモデルだと言われる。漱石は、明治43年8月24日に修善寺で大吐血をし、一時危篤状態に陥った。帰京後は、東京の長与胃腸病院で療養していた。
参考文献


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