東北大学附属図書館 夏目漱石ライブラリ


■1月13日


 明日から国技館で相撲が始まります。私は友達の桟敷で十日間此春場所の相撲を見せてもらふ約束をしました。みんなが変な顔をしてそんなに好きか/\と訊きます。相撲ばかりぢやありません。私は大抵のものが好きなんです。
(大正5年1月13日(木) 物集芳子あて書簡)
(『漱石全集』 第24巻)


※物集芳子(1886〜1960)は推理作家。
※内田百閧ヘ、「漱石先生が相撲を見に行くのと、謠をうたふのとを私は好かなかつた。/しかし、お止めなさいなどと云ひ出せる柄でもないので、黙つて腹の中で、自分の崇拝する先生らしくもないと不満に思つた」(「漱石先生の思ひ出拾遺」)と記している。
参考文献


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